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現在(4/2016)パースにて美容師してまっす。
日本人美容師は海外に多い?!
オーストラリアに来て1年、海外に出で1年3ヶ月が経ちました。いままで何度か書いてきたけど、仕事のお話。
パースにも日系美容院があって、日本人美容師さんの友達もいるのです。それはオーストラリア各地で見聞きするし『美容師さんでオーストラリアくる人多いよね』なんて良く言われます。
本当にそうなのか?
旅人美容師や海外で美容師なんてのはここ最近のSNSの力もありよく聞く話です。だけど、これに関して【美容師だけ】の話じゃないと思うから、僕の答えは『No』です。
美容師に限らず、社会全体の退職(を経験する)率が高くなり、終身雇用神話(そもそも戦後の一部世代だけの浅い歴史)の崩壊が叫ばれる現在。
一旦仕事を辞めた人が、海外に行くことを選択肢の1つとして選ぶことは割とある事かと。
ではなぜ、辞めるの?
美容室に限って言えば、離職率を下げるため沢山の努力や工夫をしてます。練習を完全強制させない、週休2日、社会保険(法人は必須)などなど。
その他企業でも人材は宝だし、求人の費用だってばかにならないから、色んな策はあると思う。
だけど、根本はぶっちゃけそこじゃない。
首悪の根源は竹中平蔵が規制緩和させた派遣業の台頭‥の影響は大いにあるんだけどそこじゃなくて。。
経済成長が停滞し、人口が減少に転じてる。
これが最大の理由だと思う。
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アジアの中の順位
今、アジアの経済急成長の影響があちこちで聞こえる。
中国やタイは言うに及ばず、フィリピンやマレーシアなどなど軒並み、GDPが上がり、給料は増え、好景気に沸いている。
日本がアジアのリーダーだったのは遠い過去の話。中国からの爆買いに買い叩かれるお買い得な国になった。
日本や韓国を除くアジア各国は『人口ボーナス』の真っ只中。
人口が増え、物が売れ、好景気に沸く。かつて日本が経験したように経済や地価が上昇する。
一方、日本はというとGDPはずっと横ばい。
まぁ、先進国であるがゆえ鈍化する事は避けられないのだが、同じく先進国であるアメリカはというと、、こんな感じ。
スタートアップへの投資やイノベーションが起こりやすく、年功序列社会じゃないなど、言い出すとキリがないとは思うし専門ではないので口出ししないが現実はこうだ。
ちなみにバンコク内は発展著しいタイはこちら。
近い将来、日本と逆転するのは間違いない。
経済が停滞し、中抜き業の派遣会社が増える。これは退職を経験する人が爆発的に増えるという事。
人口減少と美容師
美容師としての目線だと、さらに人口減少という物差しも重要。
2035年までに1477万人
2045年までに2468万人
2065年までに4554万人
人口が減るとされている。現実今年初めて人口は減少に転じた。
ただの予想だろ?と思う人もいるが、今の出生率考えればこれから少子化が加速するのは明らか。
美容は店舗数が増えてて、人口は減少。これは単にありえない。
前も書いたし、需要と供給のバランスで店舗数は着地するもんだと思ってるからこれ以上は触れない。
ただ、東京首都圏と福岡、沖縄県は人口増加してますがね。
あと、少子高齢化が進むので有効顧客数が減少する。
何かって言うと、百貨店の美容室だったので高齢者の顧客が多かったのだが、ある一定の年齢を超えると失客が多くなる。
健康寿命である。
日本は先進諸外国に比べて健康寿命と実寿命の差が大きい。病院や施設で最期を迎える人が多いのだ。自由に美容室に来れる訳ではないので、顧客になり得ない。
施設や病院への出張カットで済まされてしまうし、長時間座れないのでビジネスとして単価は下がる上にボランティアもありレッドオーシャンだ。
郊外ならカットできる車を使った『訪問』ってのもあるけど、法律が邪魔してコストがかかり過ぎる。個人でやる分にはアリだと思うけど。
出稼ぎに行く日本人
兎にも角にも、経済が停滞し人口が減少する、すなわち日本の市場規模の低下というのが一番の問題だと言うこと。
それに加えて飛行機でたった数万円で行けるアジア諸国には豊富なビジネスチャンスが転がってる。
別に海外で起業しようなんて言ってない。アジアの平均賃金が増え、日本の賃金が変わらない状況が続けばアジアに『出稼ぎ』する日本人が増えるはずだと言いたい。
日本で外貨を稼ぎにきている外国人のように、日本人が海を渡り外貨を稼ぎに行くようになるのだ。
先進国になるが、今、僕が住んでるオーストラリアWA州では時給が25ドル前後の仕事だってザラにある。時給2000円前後。皿洗いでも運が良ければこれくらいは稼げる。
環境を変えるのは簡単ではないし最低限語学力は必須。単に稼ぐというモチベーションだけでは続かないけれど、それも選択肢の1つなのである。
マレーシア人は人種差別や治安の悪さもあるのり母国に帰るつもりはないという人が多数いる(マレー系マレー人以外)。日本人ではあまり聞かないけれど、今後の社会の変化があれば本格的に移住を計画することが当たり前になるかもしれない。。
50万もあればフィリピンなどで安く英語を学んで、WHビザで入国できるからね。
安い国、日本
なんて、書けば『安い』ってなんだよ!アンチ日本かよ!
なんて、なりそうだけどココでの意味は違う。ポジティブな意味であえて『安い国』と書いた。
物の価格が安いのもあるけれど(オーストラリアが物価高い)日本は、【いい物が安い】のだ。
サービスにしても物にしても。
簡単に言うと300円そこらの普通の牛丼が美味いなんてありえないのだ。海外ならトッピングしてやっと美味しくなる。
日本の厳しい消費者の目で合格基準を満たされた物しか販売せれてないのに、価格が高くない。
つまり、安いのだ。品質がいいのに、安い。
アジア人からみると、過去は日本は高くて良いものが揃ってる国。今は自分の給料増えたけど日本の物価は変わってないからすごくお買い得な国!
なのである。
インバウンドを狙う
震災前の2010年に860万人の訪日外国人数は昨年2000万人に届きそうな所まできた。
アジアで区切ると650万→1660万人である。
冒頭のGDPの話ではアジアに抜かれるだとか書いたけど、ホスピタリティの部分では日本の有利というのはすぐに覆される訳ではない。
インターネットや輸出などで容易に海外市場へシフトできない業種は、地の利とホスピタリティを生かしてインバウンドを取り入れるしかない。それに何もしなくてもお買い得の国なのだ。
では、何処の国に向けて発信すれば良いのか?
訪日数の上位は中国、台湾、韓国が抜けてて香港と続く。母数が違いすぎなのでこれからの中国の伸びしろはとんでもないと思う。
(無料のおもてなしや免税ばっかしてないで、早めにサービス料金とって高級志向にした方がいい。)
どんだけ頑張って魅力的な国になっても、極東である以上は訪日のメインはアジア諸国である。
これを理解している、美容室を初めとした日本の企業アカウントはインスタグラムのハッシュタグで中国語を入れている。
でも中国語って本土で使われてる簡体字と香港や台湾で使われてる繁体字があります。ではどちらが正解か??
それは繁体字。なぜなら、中国本土ではFB傘下のインスタグラムはアクセス出来ないからです。
日本人からアジアの中の日本人へ
美容室では様々な国籍の人をカットするけれど、アジア人に当たったときの安心感はすごい。海外に出て自分が日本人である前にアジア人なんだと実感する一コマである。(専門的になるけど、カラーは日本で2剤が6%マックスである以上、ブロンドの欧米人を満足させる事はできないかも。)
グローバル化とは日本人が外に出て行くのではなく海外の人が日本に入ってくる事で始まるのだ。
今後、例え保守派の人が増えたとしても、人口減少を補うために移民制度が変わっていく事は容易に想像できる。
それか人口知能やロボットの活躍により多数の失業者が出て、そもそも人間が働かなくていい時代がくるかもしれない。スイスの様にベーシックインカムの実現なんて素敵だなとも思う。だけど、ベーシックインカムの実現頼みのって訳にもいかないのでお金は稼がないといけない。
その働き方というのが、とんでもないスピードで多様化し働く場所も変化してきてるという事。
そして、そんな情報がスマホ1つで集まってしまうという事。
だから思考の多様化が起こる。
で、海外いく?
長くなったけど、美容師に限らず現代の退職や離職の下には見えない沢山の原因や不安があるんだと思う。
過去のそれとは情報量が違うんだもん。
だから『美容師さんで海外行く人多いよね〜』という問いの答はNoなんです。なにも美容師に限った話じゃないからね。
さて、見方によってはこんだけ不安煽ってなんなのお前?って思うこの記事。
でも、危機管理や最悪を予想して、だからこそやるべき事が見えてくるはずです。
そして僕ができる事は
海外で働きたい!!
って思う美容師さんに向けて、
オーストラリアの仕事の探し方と現実について発信する事かなぁと。
そんで、漠然となら海外に来ないでって言いたいのよ。そんなに甘くないので。
あ、今回の記事オモシロイナーってすらすら読めた人はこちらがオススメです。
めっちゃ面白くて参考にしました。
美容師さんでこれからブログを初めたい人はコチラの記事がオススメ!
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